だ・か・らっ、Dia“l”yだってばさ!

これは『戯れ言』です。また、“Diary”ではなく“Dialy”です。つまり、日記に似て非なるものです。 所謂『日記』ではありません。お間違えの無いようお願いします。(^^;A

撮像素子のフォーマットによる遠近“感”の違いについて考えてみる

フォーマットによる遠近“感”について考え出すと、とたんに話が面倒になります。“感”ですから被写界深度を考慮しなければならず、許容錯乱円径とか過焦点距離とかを考えないとイケナクなりますんで;


許容錯乱円径ってのは(この『錯乱』って用語、なんとかならんのかねぇ)、簡単に言うと『点がどの程度まで大きく“錯乱されても”点として捉えられるか』ってことです。例えとして、究極の点光源を原子一個のサイズである約0.3 nmとして、デジタル撮像素子なら一画素以内に“錯乱されても”点としてしか捉えられないってことです。(かなり簡略化して考えてます; お許しを。) これが極限で、最終的にはどの程度のサイズにプリントするか、および鑑賞距離はどの程度か、ってことも効いてきます。プリントがL版で、鑑賞距離が100 mだったりすれば、許容錯乱円径は相当大きな値となります。(こんなん『鑑賞』とは言いませんけどね。)


焦点距離ってのは、無限遠被写界深度の後端ぎりぎりに入るような距離です。絞り環の付いた単焦点レンズだと、被写界深度の指標が(Nikonの場合)色分けされている(た?)ので判りやすかったです。その時の絞り(例えばF8とかF5.6とか)にしたとき、∞をその指標にぎりぎり合わせてFocusせずに撮る、なんてよくやってました。(直進Zoomにもありましたね。八の字とか逆八の字とか。) 本当は任意の距離に合わせた場合の被写界深度を考えた方が良いのかも知れませんが、ちと複雑になるので却下。


焦点距離とLensの焦点距離,絞り値,許容錯乱円径との関係は以下のようになります。
焦点距離 = Lensの焦点距離^2/(絞り値×許容錯乱円径)
(ここで「^2」は自乗を表しています)
焦点距離が大きくなるってことは、無限遠に近づくので被写界深度は小さくなるってことです。
絞るってことは、分母にある絞り値が大きくなりますので過焦点距離は小さくなり、被写界深度は増します。
Lensの焦点距離は分子にありますので、長焦点Lensを使えば過焦点距離は大きくなり被写界深度は減少、短焦点Lensを使えば過焦点距離は小さくなり被写界深度は増加。


さてさて、フォーマットによる被写界深度について考えてみましょう。中判とかフォーサーズを考慮しても良いんですが、比率の問題なので何を使っても同じですからフルサイズとAPS-Cを例に挙げます。D700(フルサイズ)とD300(APS-C)を考えましょうか。(Sonicさんに敬意を表してペンタを挙げても良いんですが、画素数が違うとかLensの味がとか社外品なら同じものが使えるとか色々面倒な憶測を呼ぶ確率は零ではないので。って、全く本質には関係ないんですけどね;)
細かいことを考え出すときりがなく面倒なだけなので、『フルサイズとAPS-Cの比は1.5』ってことに固定しましょう。誤差は無視ってことで。
ご存じのようにAPS-Cはフルサイズの中心付近をTrimmingしたものと考えることができます。じゃぁ、D700で撮ってプリントしたものをD300に合わせて切り取ればD300と同じになるか、というとそうはなりません。これを正しいと勘違いしてしまうと、同じLens(35 mmとか)なら同じ被写界深度、と勘違いしてしまいます。被写界深度は許容錯乱円径の関数であり、許容錯乱円径は鑑賞サイズと鑑賞距離の関数ですから、サイズも距離も同じにしなければ正しい比較はできません。ということで、D300で撮ってプリントしたものは1.5倍に拡大されてプリントされることになります。ここで許容錯乱円径は1/1.5になります。(拡大されてしまうので、同じ大きさの円になるためには元が小さくなければならない。) ここまでだと、APS-Cの方がフルサイズより被写界深度は小さいことになります。
話を次に進めます。同じような画、つまりは同じ画角で撮影するためには、D300で使うLensの焦点距離D700で使うものの1/1.5になります。誤差は無視して、D700では50 mmでD300では35 mmだとしましょう。(35 mmと24 mmでも同じです。) 概ね同じ画角を得るためにLensの焦点距離を概ね1/1.5にしました。過焦点距離はLensの焦点距離の自乗で変化しますので(短くなれば深くなる)、1/1.5のLensを使うD300では1.5^2被写界深度が増します。
鑑賞サイズで1/1.5で、Lensの焦点距離で1.5^2ですから、1.5x1.5/1.5=1.5ってことで、被写界深度APS-Cが1.5倍深いことになります。ざっと一絞り分です。つまり、D700で50 mm/F2.8で撮影したものとD300で35 mm/F2で撮影したものがほぼ同等である、と。
フォーサーズの場合は、フルサイズの“2倍”になりますので、さらに一絞り分、合計二絞り分の差が出て、50 mm/F2.8と同等の画角・被写界深度にするには25 mm/F1.4ってことになります。逆に考えると、フォーサーズの24 mm/F2はフルサイズの50 mm/F4に相当する、と。


でいいのかな? なんか、フォーサーズすげぇな。
17か18 mmでF4にするだけでフルサイズにおける35 mmのF8と同じ効果。F5.6でF11になるのか!
でも、フォーサーズ短焦点の単焦点ってほとんどないなぁ、マイクロフォーサーズならあるみたいなんだけど・・・ orz