だ・か・らっ、Dia“l”yだってばさ!

これは『戯れ言』です。また、“Diary”ではなく“Dialy”です。つまり、日記に似て非なるものです。 所謂『日記』ではありません。お間違えの無いようお願いします。(^^;A

何故G Digitalにしなかったのか?

αショック以降も頑なにAF化を拒み続けているかのように見えたCONTAXの一眼レフも、N Systemで遂にAF化の道を選んでしまった。
後付でしかないのだが、あのままMFのみでいた方が商業的には成功したのかも知れない。成功とまでは行かなくても、寿命は長かったのではないかと思われる。『大きくて重くて高価』なLens群も、他社がAF化したことによって相対的には『大きくなくてあまり重くなくてさほど高価でもない』Lens群に変身していたのだし。
元々、CONTAX(Contaxではなくて、CONTAX)のBodyはなんともセンスのない布陣だったのだ。ヤシカ・京セラが悪いのかどうかは知らないが、無用に巨大で意味無く高価だった。

  • 1975年11月発売のRTSは145,000円
  • 1994年4月発売のRXは160,000円
  • 1979年4月発売の139 QUARTZは66,800円
  • 1998年5月発売のAriaは89,000円
  • 1992年9月発売のS2は150,000円

現在のDigital一眼レフ群と比べれば驚くべき価格ではないのだが、

  • 1971年9月発売のNikon F2が64,200円
  • 1978年4月発売のNikon FEが69,000円
  • 1977年5月発売のNikon FMが57,000円
  • 1972年12月発売のNikomat ELが60,500円
  • 1971年3月発売のCANON F-1が78,000円
  • 1973年11月発売のCANON EFが89,500円
  • 1976年4月発売のCanon AE-1が50,000円

などと比較すると、その馬鹿高さぶりがハッキリする。
その後、

  • 1980年3月発売のNikon F3は183,000円
  • 1976年9月発売のCANON F-1改(F-1N)は104,000円

と、旗艦はかなり高騰することになるのだが。
因みに、Nikon F2の場合、

  • 1971年9月発売のNikon F2フォトミックは82,200円
  • 1973年3月発売のNikon F2フォトミックSは96,200円
  • 1976年10月発売のNikon F2フォトミックSBは122,000円
  • 1977年3月発売のNikon F2フォトミックAは102,000円
  • 1977年7月発売のNikon F2フォトミックASは126,000円

などと、ファインダーに露出計を内蔵するだけでこれだけ高額になるのは納得いかないところではあるけれど。


閑話休題
高価であろうと、それに見合った性能であればあまり問題はないのだが(飽くまで「あまり」であって、高額であることそのものが悪ではあるけれども)、CONTAXのBodyはなんともお粗末なのである。RTSのデザインは斬新であった。ポルシェデザインであることを前面に押し出していた。
#個人的には全く好みではなかったが、一眼レフのデザインを変革するトリガーの一つであったのではないかと思われる。
が、クォリティがなんとも。Ariaはどうにもプラスチッキーなのだ。これで半値かせめて2/3だったら納得できるのだが。ラミネートとはいえAE-1が\50kなのにAriaは\89k。また、S2なんぞは有り得ないほどフィーリングの悪い巻き上げ感触。店頭で何度感触を確認したか数え切れない。買いたかったのだ、マニュアルなCONTAX Bodyが欲しかったのだ。しかし、その感触はNikomatより遙かに劣り、AE-1にすら及ばなかった。\150kもだして、あの感触に耐えられるのはドM以外に存在し得ない。
CONTAXのBodyは、CONTAXのLensが使えるということ以外になんのアドバンテージも持たなかったのだ。にもかかわらず、異様に高額だった。


そして、N SystemからN Digital。
Digital化を見据え、口径を広げ完全電子制御化した新マウントの採用。従来のマウントを切り捨てるという暴挙は、殆どのメーカーがやっていることなので不問に付すとしても、異常な高額Body路線は継続してしまった。また、光学トリミングレンズ主体のレンズラインナップは旧来のユーザーを失望させた。完全な失敗作である。モノが悪いという以前に、戦略が間違っていた。
一眼レフである程度延命できたとすれば、

  1. Lensは致し方ないとして、Bodyは品質に見合った安価に設定する
  2. AFなんぞに目もくれず、MF路線をひた走る
  3. 光学トリミングレンズは付け足しにして、孤高の単焦点Lens群で行く

のいずれかの路線に変更すべきだったのではないだろうか。周囲が勝手に巨大・重厚・高額になってくれたのだ。なにもしなくても、相対的にさほど高価ではないLens群になったではないか。そのチャンスを棒に振ったのだ。
いっちゃぁ悪いが、ヤシカだ京セラだってのは「CAMERA」的には三流とも言える。CONTAXなのはLensだけだろう。根拠のない自信ってのはイタイだけなのだ。CONTAXというブランドにおんぶに抱っこで、結局潰してしまった。経営者としてはカスだな。


さらにいただけないのは、Digital化する際の一眼以外の戦略。T2・T3やG1・G2をそのままDigital化すべきだった。いずれも、既にAFだったではないか。Filmを撮像素子に置き換えるだけで良かったのだ。
N DIGITALが800,000円だから、これらも相当に高額にはなっただろうが、フルサイズを堅持していればそれなりに買い手はあっただろう。時間と共に撮像素子は安価になり、製品価格も下がっただろうし。なによりも、未だにフルサイズコンパクトやフルサイズレンジファインダー(タイプ)は存在しないのだ。それらに対する需要の全てを吸い上げられたのだ。


T3は未だ現役で使っている。旅行の時は持って行く。コンデジとT3であったが、これからはスマホとT3という組み合わせになるだろう。
今回、G1に触ってみて改めて思う。これがそのままDigitalであってくれたのなら、と。Bodyは紛れもなくCONTAXなのだ。どうしようもなく完成度が低い。こんなものが1994年9月発売当時143,000円もしたとは信じがたいものがある。それでも、売れたのだ。
巨大なN Digitalとか、訳の分からないStylingのコンデジなんか作っても売れないだろう、そりゃぁ。ライバルが大勢いるのだ。多士済々の中に割って入って、勝利できるとでも勘違いしたのか? だとすれば、愚かすぎる。


もしかすると、まだ遅くないのかもしれない。
GをそのまんまDigital化するのだ。当然フルサイズ。VFはEVFレンジファインダーはいらない。コントラストAFでいい。個人的には背面モニターは要らない。
レンズは、かつての復刻版だけでも十分だろう。テレセン問題に対しては、マイクロレンズで対応する。ホロゴンはなくてもいいかも。光学トリミングレンズはなしでもいい。あっても、以前と同じ一本でいい。
京セラさん、やってみない? 画素数なんてどうでもいい。手に入る最も廉価な撮像素子でいい。画素数よりフルサイズであることと、マイクロレンズが重要だ。そこそこ売れるよ、Bodyの価格を抑えればね。
他社製一眼レフレンズ用のマウントアダプターを安く純正で用意すれば、かなりいける。
今なら、短フランジバックフルサイズは唯一解なのだ。


#あのあり得ない価格の某メーカー製は、無視です。悪しからず。