だ・か・らっ、Dia“l”yだってばさ!

これは『戯れ言』です。また、“Diary”ではなく“Dialy”です。つまり、日記に似て非なるものです。 所謂『日記』ではありません。お間違えの無いようお願いします。(^^;A

KIPONとMOLYKOTE HP-500

P45/2, S90/2.8, B28/2.8をNEXで使用するためにKIPONのマウントアダプターを購入した。
購入直後にこれらを試用したときには、なんの問題もなかった。
まぁ、マウント間近でFocusリングを回さなければならないのはアレだが、これは致し方のないことであろう。


その約3週間後、新たに手に入れたB21/2.8を試すためマウントアダプターを手に取った。
その瞬間、強烈な違和感に襲われた。
違和感の原因は、指先にべっとりと付いたグリスであった。
手に持ったのは、Focusリングである。
このリングの部分にまでグリスが漏れ出ていたのである。
よく見れば、あらゆる合わせ目部分がギトギトになっていた。
構造的には、グリス漏れは防げないであろう。
こうなることがあるかも知れないと覚悟はしていた。
が、ここまで酷いとは予想もしなかった。
季節は冬である、真冬である。
室温も低い。
グリスの粘度が落ちる真夏ではないのだ。
その状態では、マウント部にまでは目視によるグリス漏れの確認はできなかった。


一晩熟考した。
こうなりゃヤケである。
バラした。
内部はグリスまみれであった。
さほど工作精度は高くないようである。
製造直後の動作を確実なモノにするため、グリスは大量に塗布されていた。
全てを分解してから、といってもたいした部品点数ではないが、アセトン中で超音波洗浄をかけることも考えた。
が、もう少し穏やかなところから試すことにした。
先ずは、ネジ周りは除いて、可能な限りグリスを拭き取ってしまうことから始めた。
摺動しない部分にもグリスは溢れていた。
必要最低限のグリス量で、という配慮はないようである。


精度の高い部品であれば足りる程度を残して、拭き取った。
組み上げた。
まともに動作しなかった。
機械的精度の不足をグリスの粘度で補っていたようである。
ビスカスカップリングかよ www


ここで選択肢は二つ。

  1. 全体を脱脂してからグリスを塗布
  2. 現状にグリスを追加

面倒だし、塗装がアセトンで剝げそうだから2を選択。
グリスとしてはMOLYKOTE HP-500を選択。
っつぅか、二硫化モリブデンペーストとの二択。
MoS2は漏れたときに穏やかならざる結果になりそうなので、却下。
Focusリングのギヤ部分と摺動部分に塗布する。
組み上げる。
それなりにスムーズな動きになった。
なんとか使えるかな・・・


web上にはこのグリス漏れ問題を
「漏れるとか、場合によっては、垂れると書かれている場合がありますが、大袈裟過ぎると云えます。」
などと書いておられる方がおります。
あなたのは滲む程度なんでしょ。
私のは、殆ど使わず、真冬の室内に20日程放置しただけでFocusリングがベトベトになるほど漏れました。
この事実を持って、このマウントアダプターの全てが「グリス漏れを起こす」とは言いません。
が、自分のが大丈夫だからといって、「漏れるは大袈裟過ぎる」と断言するのは如何なものか。
まぁ、人間なんて自分の経験が世の中の全てであると無意識のうちに勘違いしてしまうもんですけどね www


これからC(G)-NEXマウントアダプターの購入を考えておられる方々へ。
KIPONに限らず、どこの製品でも似たような事情である確率は低くありません。
が、一発で引き当ててしまった私の経験に照らせば、KIPONは避けるというのは間違った選択ではないと思います。
或いは、「グリスが溢れるかもしれない」と覚悟されて購入するか、のいずれかかと。
恐らくは、「滲む」程度で無問題な確率が高いのでしょうね、きっと。
チャレンジなされば、かなりの高い確率で勝利なさるのではないかと予想されます。
が、私はお勧めしません。


再びグリス漏れが起こったら、今度こそアセトン中で超音波洗浄してやるっ!
塗装がどうなろうとしったこっちゃないわいっ!!
使えなくなったら、他社製に買い換えるだけだ。


このまま使えればいいけど、買い換えになったとしたら、高い授業料だったなぁ・・・ OTL