だ・か・らっ、Dia“l”yだってばさ!

これは『戯れ言』です。また、“Diary”ではなく“Dialy”です。つまり、日記に似て非なるものです。 所謂『日記』ではありません。お間違えの無いようお願いします。(^^;A

一眼レフからミラーが消える日

出せば絶対売れるしユーザーの囲い込みにもなると思われるミラレスの135機、さっぱり出ませんね。さらには、これに対する否定的な意見というか拒絶感の意外に多いこと。まぁ、歴史は繰り返すってだけこのとなんですが。
戦後におけるCamera機構の変遷において、これまで三つの大きな節目がありました。

  1. レンジファインダー(RF)機から一眼レフへ
  2. MFからAFへ
  3. 銀塩フィルムからデジタルへ

いずれに於いても、守旧派(?)はかなり抵抗しました。しかし、現状を見れば明らかなように、RF機もMF機も銀塩機も既に主流ではなく、むしろ絶滅危惧種的な存在になってます。
(マニュアル露出からAEへってのもありましたが、流石にこれには大きな抵抗は無かったらしいです。)


上記のうち、「レフ機からミラレスへ」に酷似しているのは「RF機からレフ機へ」ですね。と言うことで、RF機に対するレフ機の利点と欠点をまとめてみましょう。


利点

  1. レンズとファインダー像が一致する。(超広角、超望遠、Zoomのためには必須とも言える条件。)
  2. パララックスがない。(レンジファインダー機には克服できない。)
  3. 撮像面と光学的に同一の位置にフォーカシングスクリーンを設置することにより、厳密なピント合わせが可能となる。
  4. 位相差AFが使用できる。(AF化後の事ではあるが。動体撮影時に有利。)


欠点

  1. 反射鏡やペンタプリズムなどの内部機構の分だけカメラ本体が大きく、かつ重くなる。(さらには、複雑な機構ゆえに壊れやすくなる。)
  2. 反射鏡のための空間が必要となり、特に広角レンズなどバックフォーカスが短いレンズに使用制限が発生する。
  3. 撮影時にミラー動作(鏡の跳ね上がり)を伴うため、撮影時に振動と大きな音が発生する。
  4. レリーズ後、シャッター作動する前にミラー動作があるため、タイムラグがある。
  5. 撮影される瞬間(露光中)は、レンズから入ってくる光をファインダーに届ける反射鏡が跳ね上がってしまうので、ファインダーから像が消えてしまう。


これだけの欠点が有りながら、その利点が受け入れられてRF機から一眼レフ機へ置き換わったのですね。
では、これらをミラレスのそれらと比較してみましょう。
利点のうち1〜3は背面モニタをファインダーと同等と捉えるかEVFを装備することによりそのまま保たれます。4は像面位相差AFの採用で同等になります。或いは、コントラストAFの進化で克服される確率はかなり高いと思われます。いずれにしても、レフ機の利点はそのままミラレスの利点として受け継がれます。
一方の欠点はと言うと、1〜3は完全に払拭されます。4はAFを受け入れてしまったため、実質的には無意味です。このタイムラグはRF機派が強く主張していたものです。そして、MFからAFの時にも声高に喧伝されました。しかし、今やAFの速さを言う人はいますが、ミラー駆動のタイムラグに言及する人はついぞ見かけません。*1 5の画面消失のみが残されています。むしろミラレス化によって消失時間はかなり長くなっています。が、この点は技術の発展によって容易に克服されるでしょう。エレクトロニクスの進歩速度は機械のそれとは桁が違います。克服されるのはあっという間でしょう。レフ機でも消失するのです。RF機は消失しないのです。レフ機の消失を許容できてしまうと言うことはミラレスのそれも許容できることを意味します。RF機の消失時間ゼロに比較すれば、レフ機もミラレスも無限倍なのは同じなのです。


私もレフ機のOVFが大好きですから、OVFに拘る方々の気持ちはよく判ります。そこそこ以上のOVFは撮影していて気持ちの良いものです。*2 しかし、どの様にOVFの良さを主張しようとも、レフ機の利点はそのままに殆どの欠点を克服してしまうようなテクノロジーに抗うことは無駄です。蟷螂の斧です。それは初めに書いた三つの節目が証明しています。OVFを擁護する意見は醜くすら感じてしまいます。


因みに、TLM機では利点4が保たれるのみで、欠点1, 2は克服不能です。TLMが動かなければ機構の複雑化だけは避けられますが。
K-01のようなレフ機のマウントをそのまま利用したミラレスでも同様です。悪いことにこのSystemでは利点4を保つことすらできません。


レフ機が絶滅危惧種になるのは時間の問題でしょう。そしてその時間はテクノロジーの進歩にではなくメーカーの販売戦略に依存しています。「ミラレスではプロの使用に耐えられない云々」なんて主張は意味がありません。現状の殆どのプロはデジタルでAFなレフ機を使用しています。次も同じ事が起きるでしょう。


どこが最初にミラレスの135化に踏み切るか、みものです。

  • ペソタ: 現状で135機を持たないんだから、さっさと出せばいいのに。撮像素子も外部調達だから自社開発の必要ないし。QだとかK-01だとかワケわかんないもの出してる暇有ったら、さっさと出せ。
  • フヅ: ここも135機を持っていない。が、「APSで135を越える画質」とか無意味な主張*3 をしている時点で望み薄だな。
  • ンニー: 素子は持ってる。Eマウント機も既にある。Aマウントなんか望み通りさっさと捨て去って*4、Eマウントで全てを賄えばいいのに。なにやってんだろ?
  • ニコソ・キャノソ: こいつらの事情はほぼ同じ。現状で135機がドル箱*5 だから、ミラレスへの移行は躊躇うところだろう。だが、逆に言えば、現状の顧客を囲い込むためには他に先んじる必要が有るとも言える。(APSなキャノソのミラレスいおすえむ、キャノソが一歩先んじたか? ニコワンにしてもいおすえむにしても、フルサイズミラレスへの布石というか時間稼ぎに過ぎないんだけどね。)
  • オリソ: その気も能力(外部調達の実績等含め)も財力もないだろうな。MFTがそこそこ成功しているし。
  • パナン: オリソに近いが、素子を自前で作り得るので可能性はあるか。もし作れば、デザインはダメだろうけど、卓越した製造能力から超廉価機が期待できる。ないだろうなぁ。でも、出して欲しいなぁ。

*1:素性の良い(タイムラグの小さい)RF機が、実質的に手の届く範囲から消えて無くなってしまったことが原因なのかも知れない。

*2:お借りした5D2はダメダメ(Sonicさん、ごめんなさい)でしたが、D700は気持ちよいです。たかがD700でも良いのです。D3*だったらもっといいのでしょうね、たぶん。ただし、あのサイズは許容不可なので論外ですが。

*3:そのテクノロジーで大きな素子を作ればさらに高性能なのはバカでも理解できるだろうに。

*4:当初コニミノと共同開発の予定が、コニミノが勝手に降りちゃってはしごを外された格好。

*5:つまり、無駄に高額・高利益率な商品を売りさばいている。ライバルは少ない上に、同じ穴の狢だから、低価格な商品を出すことすらしていない、出せるのに。