だ・か・らっ、Dia“l”yだってばさ!

これは『戯れ言』です。また、“Diary”ではなく“Dialy”です。つまり、日記に似て非なるものです。 所謂『日記』ではありません。お間違えの無いようお願いします。(^^;A

DS-1000のエッジ

以前書いたが、DIATONE DS-1000も貰ってきた。
1983年発売で、ポリアミド繊維ハニカム材の27cmコーン型ウーファーを搭載している。
スピーカーのコーンには軽量であることと同時に剛性が高いというより限りなく剛体*1に近いことが要求される。変形してしまうと、入力信号をそのまま再生することが出来ないからだ。しかし、丈夫に、つまり重くすることは出来ない。重いと、入力信号に追従できなくなる。これらの妥協点でコーンが作られるわけだが、剛性の不足(?)は分割振動という有り難くない結果を生むことになる。起こりがちなのは同心円方向に分割してしまう振動。これを防ぐためにリブドコーンなどと称して、直径方向にリブ、つまり畑の畝のように谷折り・山折り・谷折りしたひれを付けることが行われたりする。表側に無くても、裏側にリブがあったりするものもある。個人的に、この直径方向のリブというのが大嫌いなのだ。この様なリブを付けると、同心円状の分割振動は防げるが、リブで区切られた各々の部分が分割振動することになる。*2軽くて剛性の高い材料でハニカム構造を構築することが分割振動に対するもう一方の解決策になる。当然、これにも欠点はあるのですが www
個人的にハニカムって大好きなんですよ。そして、高分子(ポリマー)系のコーンはオレンジとか黄色でカッチョイイ wwwww


ってことで、DS-1000は大変気に入っているのですが、例によってエッジが・・・ orz
布系らしく破れてはいないのですが、ガチガチ w
どうしようも無く硬くなっています。
と言うことで、軟化作戦。


1) 手始めに、最もお気楽な方法から。
ホームセンターでアーマオールを買ってきて、また\100均で平筆も買ってきて、塗りたくります。アーマオールっての(ポリメイトでも同じですが)要するにシリコーンオイルです。まぁ、脂っこくしてシットリさせるという意味しかありません www
効果は、ちょびっとだけありました。見た目はエッジが烏の濡れ羽色になって良くなりましたが www
手を抜いて表だけなのが悪いのかと、ユニットを外してエッジの裏にも塗ってみました、こちらは効果無し。
ガチガチだったのが、多少は動くようになったって感じです。
因みに、5回くらい日にちを空けながら塗りましたが、一回でも効果は同じでしたね wwwww


2) 裏にアーマオールを塗って気付いたのですが、なにか硬いポリマーが分厚く塗りたくってありました。アーマオールは弾かれまくりです。だから効果が無かったのですが、このポリマーの様なモノが元凶ですね。
どうもこれはビスコロイドというモノらしい。
あるいは、それに似た何か www
ビスコロイドってなに?
viscose: 粘性を有する,粘性のある + colloid: コロイド,膠質の造語?
どうやら布から空気が漏れるのを防いでいるのでは無いかと勝手な推測 www
しかし、経年変化でボロボロになるウレタンといい、経年変化でガチガチになるビスコロイドといい、スピーカーを作っている(作っていた)奴らは長期使用を全く念頭に置いてませんね、腹が立つ!
で、こいつを除去することに。
アセトンなんか使えば、殆どのポリマーは溶解するので何とかなるでしょうが、強力杉じゃね?
ってことで、また\100均へ行って、接着剤剥がしなるものを購入。
高粘度と低粘度の2種類ありました。
高粘度はMEK+エタノール+IPA(イソプロパノール)、低粘度はアセトン+エタノール+IPA(イソプロパノール)だそうで。
いや、しかし、この4種類ともサラサラな液体だよ?
高かろうが低かろうが、混ぜただけのモノに粘度なんてあるのか?
いや、あるわけが無い!
きっと増粘剤が入っているのだろう。
この剥がし液も取り去らねばならないのか・・・
最初は高粘度のモノだけ買ってきました。
アセトンの利用にはちと不安があったので。
でも、もう一度行って低粘度のも買ってきました、念のため。
さて、作業開始。
ユニットを外して、高粘度剥がし液をエッジの裏に、って見た目より容量がちょー少ない。
揮発しガス化した成分がかなりの容積を占めていたようで。
片方のユニットで剥がし液をほぼ一本分消費しました orz
で、ミクロスパーテルで剥がし液を馴染ませながらビスコロイドを溶かしていきます。
MEK等が揮発していくせいでしょうが、徐々に粘度が高まります。
粘度が高まれば掬い取ることが出来るようになりますので、ビスコロイドが混じった剥がし液(だったモノ)を掬い取ります。
予想通り増粘剤が入っていたようで、ポリマー(乾きかけて固まってない接着剤のようなモノ)が残るようになります。
これもスパーテルで刮ぐように落とします。
ミクロスパーテルが無い場合は、小さいティースプーンでもいいです。
つか、その方がエッジのRに合ってるカモ www
可能な限り剥がし液(だったモノ)を刮ぎ落としたら、低粘度のアセトン系を綿棒に付けて仕上げてみました。
これは効果が無かったかも w
そして、最後にもう一度アーマオールを。
結果、エッジはフニャフニャのフワフワになりました。
が、翌日にはそれなりに硬くなりました orz
やる前よりはかなりマシにはなりましたが。
繊維の隙間に入り込んでいるビスコロイドまでは除去できなかったようです。
このビスコロイドが溶剤を含んでいるうちは柔らかいけど、揮発すると硬化したのでしょう。
でもまぁ、コーンはちゃんとストロークするようになりましたから、最初に比べれば効果抜群ともいえるカモ。
で、次に反対側。
またまたまた\100均に行って、接着剤剥がしを一本ずつ購入。
低粘度は殆ど余ってたけど w
今度は効果を上げるため、高粘度を一本全部使った後に低粘度も半分くらい追加します。
ミクロスパーテルの先でかなり強めにカリカリと刮ぎ落とします。
繊維の中の分も少しは取れるように。
後はほぼ同じ。
面倒だから効果の見込めないアーマオールは省略。
結果、直後はフニャフニャのフワフワで翌日はシッカリ、と w
左右で効果の差はありませんね、殆ど。


また接着剤剥がしを繰り返す気にはなれませんね。
これ以上の改善には、エッジ交換しかないでしょう。
或いは、アセトンそのものを使い、洋服の染み抜きと同じ要領で表側から布でアセトンを拭き取る、要するにエッジの布を浸透してきた分を布で除去する、なんてことが効果あるのかも知れません。
でも、ちょー面倒なのでやる気ナッシング wwwww

*1:力を加えても変形しない理想的な物体。現実には存在しない www

*2:例えば、直径に沿って2本のリブを入れたとする。コーンはリブで二つの部分になる。これらが同じ動きをしなくなる。つまり、分割振動を起こす。